働き方改革 新3Kの推進、完全週休2日制工事

新3Kの推進

 当社は、2017年度(平成29年度)からニュー6Kをスローガンとして、国土交通省が提唱している新3Kに先駆けて職場環境の改善活動を進めてきました。今後、建設DXによる工事の生産性向上の取り組みと並行して、さらなる働き方改革の推進を図っていきます。

取組の背景

建設業は長年、”3K”(きつい、危険、汚い)、あるいは、「給料が安い」「休暇が取れない」「カッコ悪い」を加え、”6K”職場と言われ、近年は少子高齢化の影響もあって慢性的な人手不足が大きな課題となっています。
そのため、トップが6K脱却のため、「給料が良い」「休暇が多い」「絆で結束」「危険回避対策の徹底」「きれい」「カッコいい」の”ニュー6K”を宣言し、「社員が自分の子どもを就職させたい会社」を目指すこととしました。

基本方針及び具体的なアクション

「”ニュー6K”の推進」の詳細については、採用情報 ▷ わたしたちの職場  をご覧ください。

トピックス

 2023(令和5)年2月28日に(一社)北海道建設業協会主催の「北海道の土木技術向上のための講習会」で小町谷信彦執行役員副社長が「建設業の働き方改革に向けての取組について」というテーマで講演しました。講演では、働き方改革の背景と必要性について、そして当社が進めている  ”ニュー6K“が建設DX、情報発信、ブランディングとの相乗効果で若手社員の確保に大きな効果を発揮したという点が働き方改革のポイントとして紹介されました。講習会では、他に各専門家により、最近の河川の技術開発、コンクリートの品質向上に向けた取組や建設ディレクターによる業務効率化についての講演が行われ、参加した道内建設会社の技術者約150人が熱心に耳を傾けていました。

令和2年2月14日に北海道開発局主催の建設産業セミナーで小町谷執行役員副社長が「工事現場の完全週休二日制の実現について」という演題で弊社の働き方改革の取り組みについて紹介しました。
本セミナーは、北海道開発局が建設業の経営支援を目的に毎年1回開催しているセミナーで、令和元年度は「建設業の働き方改革」をテーマに、最近の建設産業行政(処遇改善に向けた取組、多様な人材の活用等)、改正労働基準法、建設企業における働き方についてなどの講義が行われ、参加した土木工事関係者など約220名が熱心に耳を傾けていました。
働き方改革に関する取り組みの代表的事例ということで弊社の他には、勇建設(株)と北土建設(株)が職場環境改善や魅力ある建設現場の実現といったテーマで講義を行いました。

令和元年11月7日(木)に宮崎県議会商工建設常任委員会の委員8名が、働き方改革の先進事例調査のため、草野作工本社に来訪しました。当社の働き方改革の取組の経緯と概要をスライドで説明した後、質疑応答を行いました。全体で1時間という短い時間でしたが、宮崎県も厳しい建設技術者、技能者の雇用環境にあり、北海道と同じ問題意識で活発な意見交換ができました。

財務省主催の全国財務局長会議で北海道財務局により草野作工の働き方改革の取組が紹介されました。
北海道財務局HPに掲載されている「最近の北海道経済の動向等について(全国財務局長会議資料)」の最後のページ「北海道財務局管内における賃金等の動向について~紹介事例~」で「草野作工(株)”ニュー6K”で建設業の魅力を発信」というタイトルでまとめられています。

 

北海道経済部労働政策局雇用労政課働き方改革推進室発行の「働き方改革ベストプラクティス事例集」に建設業の模範的事例として草野作工の働き方改革の取組が紹介されました。
内容は北海道HPでご覧になれます。

北海道が主催して平成31年2月27日に札幌で開催された「働き方改革ベストプラクティス実践セミナー」(参加者170名)において、草野作工の働き方改革の取組を事例紹介として発表しました。発表内容は、下のファイルを開くとご覧になれます。

働き方改革ベストプラクティス実践セミナー資料

【働き方改革に本腰  草野作工(株)草野量文専務に聞く】

▶同業他社に先行して現場の週休二日制に取り組んだきっかけ

「自分の子どもを建設業界に入らせたくない」との社員の言葉が基になった。
建設業を存続させるには、週休二日制への環境の整備と給与の確保が大事。
高校生に話を聞くと、昔と違い何か物を買いたいから働くのではなく、自分の時間が作れる会社を選択する傾向にあり、「休みを増やさなければならない」と思った。

▶週休二日の実施状況について

札幌開建の4現場(札幌道路の2現場と江別河川、岩見沢河川の各1現場)は完全週休二日制にしている。他に滝川道路の2現場は、近接現場との連携を図り、社員は交代で休ませる週休二日制を指導している。
現場には「まずはできるところまでやろう。利益が減っても構わない」と伝えている。
高いと思われる下請けの見積書も認め、現場代理人には「利益が減っても現場の責任だとは考えないし、評価を下げることもない。」と言っている。
週休二日はどこかの会社がやってみないと進まない。「草野がやれるのならできないことはない」と追随するのではないか。
今、働き方改革が話題となり、一部で週休二日制モデル工事を導入する動きが出ているのを嬉しく思い、建設業が生き残れる環境の整備が少しずつ進んでいると実感している。

▶週休二日制を進める上での課題について

役所や本社から求められる資料作りが週末に依頼されることが多く、みんな揃って休めなくなるので、一週間前には連絡が欲しい。
二次下請の季節労働者の日給も守る必要があり、当社は協力業者に「日給の方に関しても土曜日の分を加味した見積」を提案している。
日給の方は月に4日も休みが増えると給料が激減するので、当社は折半してでも賃金を支払っている。

▶完全週休二日への移行のメリットについて

特に若手社員たちからは「休日のスケジュールが組めるようになった」と好評。土日が休みなので旅行にも行けるし、自分の趣味の時間も作れる。
現場代理人などの中堅クラスも家族と過ごす時間が増えたと言っている。

▶週休二日モデル工事を始めようと思っている会社へのアドバイス

利益が減ってもいいと覚悟しなければならないので、借金を抱えている会社は難しい。
今のi-Conで掲げている三つの柱の一つの施工時期の平準化は週休二日とも共通する重要な前提条件。
年度の縛りが無くなれば施工の平準化がやりやすくなり、適切な工期の中で経費をきちんとみてもらえれば、身銭を切ることなく工事ができる。
現状で週休二日制が難しい会社はノー残業デーから始めるといい。現場の特性に合わせた設定にするといい。
当社は何年も前から江別近郊の現場は水曜日、地方は早朝に家を出なければならない月曜日をノー残業デーにしていて、下請けにも周知している。

▶発注者に求めること

最初の準備工事や最後の片付けについても週休二日でカウントしてもらいたい。経費もしっかりみて欲しい。
工事評価で早く工事が終われば評価する傾向があるが、これからは工期を目一杯使ったら評価するように変えて欲しい。また、週休二日を最大限評価して欲しい。

完全週休二日制工事導入の経緯

当社は、道内の同業他社に先駆けて、完全週休二日制工事を試行し、完全週休二日制工事導入のフロントランナーになりました。

2016年度 : 就業規則の技術職の勤務時間を変形労働時間制から週休二日制に改定

2017年度 : 完全週休二日制(毎週土日休)を4工事で試行し、 ほぼ完全達成
(試行工事は、開発局からの受注工事8件の内、半数の4件(道路 、河川各2 件))
*完全週休二日の実施可能性を実証するとともに課題を明確化

2018年度 :完全週休二日制(毎週土日休)を開発局からの全受注工事で実施し、ほぼ完全達成
(江別市からの全受注工事でも実施し完全達成)

参考資料

北海道開発局から受注し完全週休2日制を試行した4工事の実施結果をまとめた報告書

土木工事における完全週休2日制の実施結果及び今後の課題と対応方策