地域文化への貢献

陶芸家 小森忍 作品の寄託展示(江別市セラミックアートセンター)

 小森忍(明治22(1889)年:大阪生まれ)は、日本における陶磁器研究の第一人者で、満州(雅堂窯)、愛知県瀬戸市(山茶窯)、三重県府中村(府中窯)、そして江別市(北斗窯)と活動の場を変えながら生涯にわたって研究を続け、日本の陶磁器技術の発展に貢献しました。
 小森は、中国宋代のやきものづくりを理想とし、「化土成玉(土を化して玉と成す)」を実現させる作品づくりを行い、また、技術力に優れた職人たちの分業制による工場生産で芸術品を均一に大量生産し、廉価で一般大衆の手に届くやきものを制作することに力を注ぎました。
 江別市とは縁が深く、晩年59歳の時に江別に居を移し、2年後には北斗窯を開き、1962年に72歳で亡くなるまで作品づくりに没頭しました。
 
 江別市は、北海道のやきもの文化の創造と発信の拠点として、江別市セラミックアートセンターを設置・運営していますが、北海道陶芸の発展に寄与した小森忍の功績を紹介する「小森忍記念室」を設けています。
 草野作工の三代目社長 故草野雅介は江別で陶磁器を研究していた当時の小森忍を支援し、その作品を購入、所有していましたが、そのうちの代表的な作品11点を平成21年2月からセラミックアートセンターに寄託し、その作品は「小森忍記念室」に展示されています。

江別市セラミックアートセンター

小森忍 企画展

常設展示

常設展示

小森忍 年譜

明治22(1889)年 大阪府生まれ
明治44(1911)年  京都市立陶磁器試験場に入所
大正6(1917)年   南満州鉄道(株)中央試験所窯業課研究部主任
        (中国・大連市)
大正10(1921)年 小森陶磁器研究所を設立(中国・大連市)
昭和24(1949)年 現・金沢美術工芸大学講師
昭和36(1963)年 江別市で北斗窯を創始
昭和37(1962)年  73歳で没